ステージの真ん中に立つ2号。
待機のポーズを命じられたまま、『その時』を待つ。
敗者に対して行われる、刑の執行。
後輩にとっては娯楽であり、先輩の弱みを握るチャンスでもある。
一方で『本人』にとっては、トラウマになるほど強烈な羞恥心とともに、尊厳を剥ぎ取られる瞬間でもあるのだ。
仮面を、素顔を晒す。
マゾヒストとして。
後輩である新田に調教を受ける、ポニーの一頭として。
そして、1年生たちの新しいペットとして、畑川麻友の名が刻まれることになる。
覆った関係性は、二度と戻ることはない。
ステージの中央で、震える2号。
その両サイドには、他のポニーが同じポーズをして立っている。
メインを彩る添え物として。
2号の横に立つ、ご主人様の新田。
彼女よりも年上であること、先輩であることは、今の2号にとって何の意味も持たない。
どこか慈しむような表情の新田。
手に持つリモコンを、2号に差し出す。
受け取りを拒むことなどできはしない。
そんな選択肢があるなど、この場にいる誰も思っていなかった。
受け取ったリモコンに視線を落とす2号。
再生ボタンを見て、目の前にいる1年生たちをチラっと見る。
今か今かと待つ、観客たち。
その表情を見て、あわてて素顔を伏せる。
そして、改めて自覚する。
思い知らされる。
自分の置かれた状況を。
逃げ場などないことを。
2号の葛藤が、痛いほど伝わってくる。
今の彼女は、つい先ほどの私でもあるのだ。
再生ボタンに、親指を乗せる2号。
おそらく、まだ決心はついていないのだろう。
気の毒なほど、脚が震えている。
不安そうに、ギュッと目を閉じる。
しかし、いつまでもそうしていられる訳ではないことも、彼女は知っている。
状況に流されてか。
あるいはプレッシャーに負けたのか。
彼女は、その指に力を入れた。
一瞬の静寂。
しかしそれは、すぐに打ち破られる。
スピーカーから流れる、キックドラム。
ドッドッドッドッ…
少しずつ、ボリュームが大きくなっていく。
お腹の底まで響くような低音が、一定のリズムで進む。
そこに、金属的な鋭さを持ったハイハットとスネアが加わる。
攻撃的で不穏な雰囲気が、場に満ちていく。
と。
スクリーンに浮かぶ文字。
『罰ゲーム、執行』
スピーカーのボリュームが絞られていく。
しかし完全には消えず、背後に控えながら我々を威嚇し続けている。
そして、映像が流れ始める。
映し出された光景。
正面には、イスに腰かける新田。
画面手前には、新田に向けて土下座をする、ピンクのボンデージを着た女。
彼女のお尻と、背中、後頭部が映っている。
新田が口もとに笑みを浮かべる。
そして、机の上に置かれた、あるものを取り出す。
ノートパソコン。
2号に向けて、蓋を開く。
開かれた画面は、カメラからでも見えた。
流れ出す映像。
画面の左右には、全頭マスクを被った2人の女性。
互いに向き合っている。
マスクから覗く2組の目。
絡み合うように、見つめ合う。
顔同士が、ゆっくりと近づいていく。
今にも触れそうな距離。
止まる。
吐息。
お互いの顔に掛かりそうなほど。
そして…
2人は、唇を重ね合わせる。
チュッ…
顔を離し、再び見つめ合う。
そして、また…
チュッ…
チュッ…
パソコンのスピーカーから流れる、唇同士が触れ合う音。
時折混じる、熱く切ない吐息。
女性同士のキスシーン。
しかし2号は頭を伏せたまま、画面を見ようとはしない。
「見せてほしいですか、センパイ?」
否。
見ることを許されていないのだ。
2号が、小さく頷く。
「見せてほしいかって、聞いてるんですけど?」
再び足元に問う、新田。
「み、みせっ、見せて、ほしいっ…」
女の上擦った声。
どこか、聞き覚えのある声でもあった。
「そうなんだぁ、見せてほしいんだぁ…」
新田のイジワルな表情。
「センパイの大好きな○○センパイが、別の女とキスしてるとこ、そんなに見たいんだぁ…」
「みっ、見たいです…」
早口で答える2号。
「そうなんだぁ…」
新田が身を乗り出した。
2号に近づき、頭に手を触れる。
全頭マスク。
掴み、一気に引き抜く。
2号の髪があらわれた。
ニヤッと笑い、再びイスに腰かける新田。
そして、ポケットから取り出したスマホを2号に向ける。
画面のアングルが変わった。
さっきとは逆向きの視点。
カメラに向けて、土下座をする2号の姿。
映像は、先ほど取り出したスマホで撮影したものなのだろう。
断続的に聞こえてくるキスの音。
ほんのわずか、2号の頭が上がりかける。
首筋が伸び、画面に近づこうとした瞬間…
「そういえば、今顔上げたら、センパイの顔もカメラに写っちゃいますねぇ?」
ハッとして、怯えるように再び頭を伏せる2号。
「後輩たちに、センパイのマゾ顔、見られちゃいますね。普段の先輩としてのお顔と、情けなく蕩けたマゾ顔、見比べられちゃいますよぉ?」
新田の声が、甘く、残酷に2号を苛んでいく。
「どっちのお顔が好かれるかなぁ?後で、確かめてみません?」
ノートパソコンを持ち上げ、2号のそばへ持っていく新田。
「ほら、いいんですよ、見ても? ずっとオアズケされて、つらかったでしょう?」
2号の耳もとでささやく。
「それとも、1年生にマゾだってバレちゃうのが、そんなに恥ずかしいんですか?情けない姿を見られるのが、そんなにイヤなんだ?」
小さく頷き、続けて大きく2度頷く。
「そうですよねぇ。知られちゃったらバカにされちゃいますもんねぇ。ケーベツされて、見下されちゃうかも?〇〇先輩って、マゾだったんだぁ、って」
モゾモゾと身をよじる2号。
「今の姿、後輩のみんなに見られてますよ?風香ちゃんや玲奈だけじゃない。内海に大貫、結花ちゃんや優菜も。みんな、センパイのこと知ってる子たちですよ?どんな顔してセンパイのこと見てるだろうね?」
「やっ、そんな…」
「でも、どうせバレちゃうんだしぃ…だったらぁ、早くキモチイイことしたほうがオトクじゃないです?」
2号が、うめき声を上げる。
「素直になれたら、貞操帯のカギ、外してあげてもいいんだけどなぁ…」
新田のわざとらしいつぶやき。
2号の体がピクッと反応する。
新田の口角が、わずかに上がる。
「あーっ、外してほしいんだぁ? そうですよねえ。だって、最後に外してあげたの、ずいぶん前だもんね」
新田の視線が、2号からパソコン画面へと移る。
「ねぇ、今、とってもエッチな場面が流れてますよ?〇〇センパイの唇が、△△センパイの唇と、ぴったり重なりあってるの。それでね、舌と舌が、絡みあって…ねぇ、聞こえるでしょう?ねっとりと絡み合ってる音。〇〇センパイのエッチな顔。△△センパイも、ウットリしてて、気持ちよさそう…」
2号に向けて実況する新田。
「〇〇センパイ、とっても愛おしそう…△△センパイの頭を撫でて…あ、今度は△△センパイが○○センパイの舌を吸ってる。チュウッって吸われて、○○センパイの体が、ビクンッてなったよ?あーあ、大好きな〇〇センパイが、他の女の子に気持ちよくされてるのに、何もできなくて悔しいね?情けないね?」
「ううぅ~…」
耳まで真っ赤になる2号。
肩を震わせながら、床に額を擦りつける。
熱い吐息が床にぶつかり、室内へ拡散されていく。
寝取られマゾとしての興奮。
2号は今、その真っ最中にいるのだろう。
そんな姿を後輩たちに見られている、という事実。
そして、情けない顔を見られてしまうという羞恥心。
それすらも、彼女の情欲を掻き立てるスパイスになっている。
太ももを擦り合わせる2号。
私も、同じだ。
股間が熱くて、仕方ない。
この場に誰もいなければ、今すぐにでも触れてしまいたかった。
情欲を、昂りを鎮めることもできないまま、私は2号にシンクロしていく…
「もう、ガマンできないんでしょう? 分かるよ? 耳まで真っ赤にして…」
フーッ…
フーッ…
鼻息で応える2号。
「ちょっとだけ恥ずかしい思いをして、気持ちよーくなるか、このままオアズケを続けるか、どっちがいい?」
新田の残酷な提案。
2号の切なくなった全身は、もちろん前者を望んでいるだろう。
脳内のドーパミンが、彼女を突き動かそうとする。
ドロドロに熱くなった子宮も、キュンキュン反応する。
抗える訳がなかった。
でもそれは、彼女の『先輩としての死』を意味してもいた。
先輩から、寝取られマゾの2号に堕ちる。
それを自ら認めることでもあるのだ。
慕われていた優しくて明るい先輩から。
マゾペットとして、後輩に揶揄われながら飼われる存在へ。
正体を隠す全頭マスクはない。
『2号』ではなく、寝取られマゾの『畑川麻友』として。
2年生の彼女は、1年生の後輩たちに飼われるのだ。
「ガマンは体に毒ですよ?それに…もう、『スイッチ』が入っちゃったんでしょう?それなのに、このままではご自身で触ることもできない。体が火照ったままで、鎮めることもできませんよ?」
新田の声が、2号の理性を絡めとっていく。
「この前みたいに、夜中に電話してきて、情けない声でオネダリしても、ダメだからね?」
2号の鼻息が、更に荒く激しくなっていく。
まるで、新田の言葉に触れられているかのようだった。
クリトリスを、乳首を、子宮を。
全身だけでなく、心まで、新田の声に愛撫されていた。
「あの時、電話で私になんて言ってたか、皆に教えてあげようか?」
「やっ、やめてください…」
「確か、夜中の一時頃だったかな?センパイが息を荒げて電話してきて…」
「やめてったら!」
2号が、強い口調で遮った。
おそらく、本当にあった出来事なのだろう。
そしてその内容を、2号はよほど知られたくないようだった。
そんな2号を冷笑するかのような、新田の声。
「ほら、映像、終わっちゃうよ? 見なくていいの?」
ハッとして、息を飲む2号。
額を、床から上げ…
再び下げる。
そんなことを数回繰り返す。
画面を見たいという欲求と、顔を上げたら終わりだという恐怖が、彼女を縛っている。
「恥ずかしがらなくていいんですよ?だって、センパイが気持ちよくなるために撮った映像なんだもん」
2号の葛藤が、傾いたのが分かった。
ゆっくりと、ゆっくりと…
頭をもたげていく、2号。
ホール内を、緊張感が支配していた。
私は、息を殺してスクリーン上の2号を見守る。
ゆっくりと顔を上げる2号。
乱れた髪の間から覗く、充血した瞳が覗く。
そこには、羞恥と渇望とで発情した、一頭のメスがいた。
後輩によって調教され、飼いならされたケモノ。
その正体は、無論、1年生たちのよく知る人物だった。
「やっと素直になれましたね、畑川麻友さん?」
1年生たちが息を飲むのが分かった。
静寂が、重くのしかかる。
「え…え?ウソでしょ…」
スクリーン上の畑川と、ステージ上の2号を何度も見比べる内海。
両手をギュっと握りしめ、身を乗り出している。
「だって、さっきまでここで…レースでも騎手として…」
大貫も混乱していた。
途切れ途切れに声が漏れる。
「2号ちゃんて、畑川センパイだったんだぁ…」
惚けたように、ステージ上を眺める優菜。
興味深げに畑川を見つめるその様子は、この状況を純粋に楽しんでいるようにも見えた。
溝口は腕を組み、睨むようにスクリーンを眺めていた。
そして、小さく舌打ちをする。
苛立っているようにも見えるが、何に対してなのかは分からない。
顔だけでなく、フルネームまで晒されてしまった畑川。
もう、言い逃れなどできなかった。
ステージの上で、ピンクのボンデージを着た女。
後輩に飼われるマゾペットのひとり。
そして今、敗者として待機のポーズをとっている女。
つい先ほどまでは、鳥越や浜本たちと一緒にポニーを従えていた。
そして、堂々とした騎手の姿を見せていたのだ。
それが…
ポニーを駆る、カッコいい先輩を装っていながら。
実際は、後輩に飼われるポニーの一頭に過ぎなかったのだと。
仮面は剥がされ、マゾヒストとしての本性を暴かれてしまった。
ステージの上で、ビクっと体を震わせる2号。
いや、畑川。
驚きの表情を浮かべる1年生たち。
そこに、少しずつ嘲笑や好奇が入り混じり始める。
後輩たちの視線から逃れるように、身をよじる畑川。
スクリーンに目を移す。
土下座をしながら、顔だけ前を向く畑川。
映像を見逃すまいと、目を見開いている。
しかし、間もなく、映像は終わりを迎えてしまう。
「あーあ、せっかく見たのに、終わっちゃいましたね、センパイ?でも、特別に…最初から見せてあげる」
ハッとして、新田を見る畑川。
「そのかわり、私の言うこと聞いてくださいね」
画面が暗転する。
再び映ったのは…畑川。
しかし、さっきとは様子が違っていた。
正座ではなく、中腰になっていた。
両腕をくの字に曲げ、手は後頭部に。
さっきまで着ていたボンデージではなく、上半身にはTシャツを着ていた。
そして、目を引いたのは下半身…
貞操帯だった。
1年生が声を上げる。
「見られちゃいましたね、センパイの貞操帯姿」
畑川の、スラっと伸びた両脚。
ハリのある柔肌と、それを覆う金属製の無機質な下着。
まるで飾りのように添えられた、南京錠。
恥ずかしそうに俯く畑川。
しかし、両手は頭の後ろに添えている。
顔も、貞操帯も、隠すことはできない。
「でも、今はそんなことより…コッチ、でしょ?」
ノートパソコンを、再び畑川の方へ向ける。
「ふふっ、そんな怖い顔しなくても、見せてあげますってば。それに…まだあるでしょ?肝心なことが1つ」
そう言って、画面に現れたのは…
ネックレス。
キーチェーンにつながった、貞操帯のカギ。
「コレ、なーんだ?」
畑川の目の色が変わった。
ちっぽけな、小さな金属片。
畑川の本能を閉じ込め、取り上げる、悪魔のようなアイテム。
体を前傾させ、口をパクパクさせる畑川。
「畑川センパイ、これはなぁに?教えて?」
畑川の前で、ユラユラと揺らす。
「か、かっ、カギ…ていそうたいの、カギ…」
舌がもつれる。
もどかしそうに言葉を吐きだす。
「そうだね、貞操帯のカギ。外してほしいんでしょう?外してほしいよねぇ?」
畑川が、何度も頷く。
「それじゃあ、カメラに向かって、ちゃんと自分の性癖を告白できたら外してあげる。後輩のみんなに本当の姿を教えてあげて、麻友ちゃん?」
畑川の唇が震える。
麻友ちゃん呼ばわりされた情けなさよりも、自分の性癖を告白させられることの葛藤に苛まれているようだった。
「言いたくないなら、無理に言わなくてもいいよ?オアズケ続行だけど」
畑川の顔に恐怖が浮かぶ。
「大丈夫だよ。既に、みーんな知ってるから、麻友ちゃんのこと。言ったところで、何にも変わらないよ?」
気休めにもならなそうな、残酷な現実を突きつける。
それでも、畑川には効果があったようだった。
「わ、わたし、は…」
「うんうん」
「私は…は、畑川麻友は…寝取られマゾ、です…」
両手をギュっと握りしめる。
「寝取られマゾって、なぁに?」
「大好きな、〇〇センパイが…に、新田…ごっ、ご主人様…に、調教されてるのを見て…他の女とエッチなことしてるのを見て、興奮する…マゾ、です…」
言いながら、更に昂っていた。
途中、何度も大きく息をつきながら。
尋常ではないほどの、呼吸。
「ご主人様、って…」
スクリーンを眺めながら、内海が呟く。
「イヤなのに、悔しいのに、辛いのに…目が離せなくて…ドキドキして、胸が苦しくて、手が震えて…あっ、アソコが、濡れて、疼いてきちゃうの…」
目には、妖しい光が宿っていた。
「麻友、こっち向きな」
新田の声。
「それだけじゃないでしょう?ほら、コレ」
貞操帯のカギ。
「あっ…」
「私、知ってるんだよ?アンタ、イヤがってるフリして、ホントは好きなんでしょう?」
「す、好きって、なにが…」
「コレで管理されること。私に差し出して、管理してもらうこと」
「そっ…そんな、こと…」
「ぜーんぶ、分かってるんだからね?」
「ち、ちがっ…」
「自分じゃ触れなくて、私にオネダリするの、好きだよね。それで私が素っ気なくすると、困ったような、拗ねたような顔しながらモジモジしてさ。媚びたような目で、モノ欲しそうな顔して、喜んでんの」
「そっ、それはぁ…」
「貞操帯を外してあげた後もさ、自分で鍵を掛けて…はいって、私にカギを献上するもんね。嬉しそうに、尻尾振ってんの」
恥ずかしそうに、イヤイヤをする畑川。
「大事なものを取り上げられて、悦んでんだ?〇〇センパイも、貞操帯のカギも。取り上げられて、目の前で見せつけられるのが、そんなにいいんだ?」
「そんな、そんなこと、わ、わたし…」
畑川が、新田に非難がましい目を向ける。
それは、被虐と卑屈に塗れていた。
「そうそう、その顔。ほら、みんな、見て?」
カメラが、畑川の顔を映し出す。
恥ずかしくなって、顔を逸らす畑川。
「ふふっ、ごめんごめん。麻友が可愛くて、ついイジワルしちゃった。ほら、外してあげるから、こっちおいで?」
優しい、諭すような声。
畑川が、トロンとして目で新田を見る。
だらしなく蕩けきった、女の顔。
いや、メスの貌か。
新田に飼いならされているという事実を、これでもかというほど物語っていた。
カギを持つ新田に、甘えるように近づいていく。
「はい、よく言えたね、麻友。ゴホウビに、貞操帯を外してあげるからね」
「うんっ」
母親に褒められた幼子のように、嬉しそうに頷く畑川。
鍵を外す新田を、トロンとした瞳で見つめる。
半開きになった唇から、熱い吐息が漏れている。
頬は赤く火照り、首筋には汗が流れていた。
カチッという、小さな金属音。
目をギュっと閉じる畑川。
それだけで、軽くイッてしまったかのようだった。
「はい、脱いでいいよ?」
喉を鳴らす畑川。
チラっとカメラを見てから。
貞操帯を、外す。
モザイクで隠れた、畑川の局部。
陰毛は、おそらく愛液でぐっしょりと濡れているのだろう。
新田が鼻を鳴らす。
「すごくエッチな匂いがするね」
その言葉に、ビクっと体を震わせる畑川。
羞恥心を煽るように、スンスンと鼻を鳴らし続ける。
「い、いや、だめ…」
隠すように、両手で股間を押さえる畑川。
「ふふっ。もうガマンできないでしょう?映像、もっかい流してあげるね」
パソコンの画面が再び動き始める。
互いに見つめ合う、二人の女性。
「ほら、いいの、しなくて?したいんでしょう、寝取られオナニー?」
「あ、あぅっ…」
カメラをチラッ見てから、困ったような視線を新田に向ける。
「言ったでしょう? この映像は麻友が気持ちよくなるために撮ったって。だから、遠慮しなくていいんだよ?」
それでも、畑川はモジモジしたまま。
「オナニーは恥ずかしいことじゃないですよ。センパイだけじゃなくて、皆がやってることですから。きっと、○○センパイも、ね。ほら、見せてみて?いつもどんなふうにしてるの、センパイ?」
下唇をギュっと噛む畑川。
さらけ出した自分を見られることへの躊躇い。
しかし、そんなものは一瞬で飲み込まれる。
圧倒的なまでの渇望。
耐えられるわけがなかった。
畑川の右手が、震えながら股間へと滑り込む。
「んっ…はぁ…」
くぐもった吐息。
左手は、胸元へと伸びていく。
服の上から、乳首に触れる。
指で摘まむように、弾くように、コリコリと。
畑川のポッチは、服越しからでも視認できた。
新田が、耳元で囁く。
「ふふっ。センパイのちくび、固くなってる」
畑川が、恥ずかしそうに身をよじる。
しかし、その手の動きは止まらない。
それどころか、畑川の手は彼女の敏感な部分を一層責め立てていく。
快楽を貪るように。
ねちっこく。
執拗に。
そんな畑川を眺めながら。
「ふうん。そうやってするんですねぇ」
イジワルな新田の囁き。
畑川の被虐を、羞恥を掻き立てる。
「い、いやっ…」
言葉とは裏腹に、喜色を浮かべるマゾ女。
「センパイのオナニー、みんなに見られちゃったね?」
新田のスマホは、畑川の痴情を捉え続ける。


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