Brave New World 六日目 1/3

茜の家へは午後1時に行くことになっている。
時刻は既に11時を回っていた。
期待と不安の入り混じった気持ち。
ここ数日で何度も味わった感情だった。
ただ、二つの感情は日増しに強くなっている。
昨日感じたスリルと快感はかつてないほどだった。
思い出す度に身体の内奥が反応する。
身体だけでなく、脳にもあの刺激が焼き付いてしまっている。
どこまでも堕ちてしまいたい。
いつの間にかそう考えている自分に気付き、とても怖くなる。
どこかで引き返せると思っていた。
しかし今はどうだろう。
茜との関係を絶ちたいという気持ちはもうほとんど残っていない。
プレイの内容も今後ますます過激になっていくだろう。
その先には、一体何が待っているのだろうか。
約束の時間より早く茜の家に着いた。
インターホンを鳴らすと、数秒経ってからドアが開けられた。
笑顔の茜に出迎えられ、そのまま部屋に通される。
部屋に入った途端、茜が背後から抱きついてきた。
しばらくの間、その状態が続いた。
服越しに、あるいは肌から肌へ、茜の体温が伝わってくる。
優しく包まれるような、全てを委ねたくなる温かさだった。
幸せな気持ちがこみ上げてくる。
「友子さん、こっちを向いて」
後ろから抱きしめられたまま、顔を茜の方へ向けた。
目が合う。
私の唇に、茜の唇が重ねられた。
ついばむようなキス。
お互いの存在を確かめ合うように、何度も繰り返す。
ゆっくりと、茜の舌が入ってくる。
それに応えるように私も自分の舌を動かした。
舌と舌を絡ませあう。
頭が痺れてきて、キスのことしか考えられなくなる。
お互いの口をむさぼり、唾液を交換しあった。
どれだけの時間、そうしていたのか分からない。
先に離れたのは茜だった。
「続きはこっちで」
茜に手を取られてベッドに腰掛ける。
服に手を掛けられ、ゆっくりと脱がされていく。
上下とも下着のみになった時、キスの続きを始めた。
ベッドに横たわり、相手の口を求め合う。
ブラをずらされ、胸にそっと手を乗せてくる。
もう片方の手が、下に伸ばされた。
下着の上から、掌を添えるように重ねてる。
秘裂に沿って、指が上下になぞられる。
全身から力が抜けて、茜のなされるままになった。
茜に導かれるまま、何度も達した。
意識が朦朧とする中、身体が包まれているのが分かった。
茜の匂いがする。
そのまま、ずっとこうしていたいと思った。
目が覚めた。
「あれ、私…」
そのまま眠ってしまったらしい。
「起きたの?」
茜が優しく声を掛けてくる。
もっと茜を感じていたくて、胸に顔を埋めた。
そっと、頭を撫でてくれる。
「そろそろ、アレを使ってみようと思うんだけど」
「え、アレって?」
「飛びっこ。昨日友子さんと使ったやつ」
「ああ、あれね」
「友子さん、気に入ってくれた?昨日は楽しんでたみたいだけど」
昨日の痴態を思い出して、顔が熱くなった。
どうしてあそこまで感じてしまったのか、今考えても恥ずかしくなってくる。
「気に入ったっていうか、その…」
茜が笑った。
心を見透かされたようで、余計恥ずかしくなる。
「今日はどんなことしよっか?一緒にお散歩する?」
「お散歩って、あれを付けたままで?」
「やってみたいでしょ?」
「まあ、興味はあるけど…」
「不安なら無理にとは言わないわ。とりあえず、ここに持ってくるね」
茜はベッドから降りて、机の方へ歩いていく。
飛びっこを持ってくる茜を、期待を抱きながら見つめる。
飛びっこを取り出し、再びベッドまでやってきた。
「友子、脚を広げてごらん」
いじわるっぽい表情で命令される。
「はい…」
言われるまま、脚を開いていく。
恥ずかしさよりも期待のほうが強かった。
「あいかわらず、友子さんのアソコって毛が薄いのね」
「いや、じらさないで…」
「はいはい」
ローターの部分を、ゆっくりと挿入される。
「スイッチ、入れるよ」
うなずく間もなく、振動が伝わってきた。
「あぅ、ん」
「ふふ、気持ちいい?もっと強くするね」
更に振動が強くなった。
甘い刺激が広がり、全身に電気が走る。
「いつまで耐えられるかしら」
小悪魔的な笑顔を浮かべて、こちらの反応を楽しんでいる。
時に弱く、時に強く、振動に緩急をつけながら私を追い込んでいく。

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