Magic stone 5話

任務を終えたアリエッタは、一晩泊まった後、猛獣たちとともに魔術機関へと帰っていった。
私が犬のメルとして振舞っていた記憶は、アリエッタの中には既に存在していない。
私がアリエッタの記憶を魔術によって操作したからだ。
アリエッタからの凌辱を受けた後、ソフィーがある提案をしてきた。
このまま、アリエッタのペットとして生きる道を選ぶか、それともアリエッタの記憶を操作するか。
もちろん、私は後者を選んだ。
しかし、本来、記憶操作の魔術は特定の条件下でのみ使用を許可されている。
それを、私の極めて個人的な事情で行使するのだ。
魔術機関含め、今回の件は他言無用とすること。
記憶操作の魔術をするために不足している魔力を、ソフィーの魔石によって補充すること。
その引き換えとして、認識操作の魔術を魔石に保存し、ソフィーに渡すこと。
認識操作の魔術を込めた魔石があれば、ソフィーでも一度だけ認識操作を行うことができる。
どうせろくなことを考えていないのだろう。
ただ、私に選択肢はなかった。
それからも、私はソフィーに魔力を貢ぎ続けた。
日中は、魔石を体の中に入れたまま過ごす。
そして夜、私の魔力をたっぷりと吸収した魔石を、ソフィーに差し出す。
私の魔力を吸収した魔石は、淡い光を放っている。
良質な魔力で満たされた魔石は、このような光を放つのだという。
私から魔石を受け取ったソフィーは、満足そうに微笑む。
そして、魔力の提供者である私にこう告げるのだ。
「マゾ犬のマーティナ様、ご褒美をあげますから、いつものアレ、やってくださいね?」
全裸の私に、ソフィーの視線が突き刺さる。
かかとを浮かせたまま、しゃがむ。
そして肘を曲げ、両手を軽く握り、胸の前で揃える。
犬の、ちんちんのポーズ。
ソフィーは、私を責める前に必ずこれをさせる。
一つは、マゾとしての調教のため。
そしてもう一つは、私に反抗心がないことを確かめるため。
自らの上司でもある稀代の魔術師。
その私に対して好き勝手できるのを実感し、ソフィーは征服欲、支配欲を満たすのだ。
「マーティナ様、よくできました。マゾ犬らしいマーティナ様にとてもよくお似合いのポーズですね」
唇を噛み、屈辱に耐える。
「それじゃ、マーティナ様の大好きなお散歩、しましょうね?」
例の首輪に、リードをくくりつけるソフィー。
私は服従のポーズを取ったまま、じっとして待つ。
「はい、これでよし」
首輪から延びたリードは、ソフィーがしっかりと握っている。
首輪の効力も相まって、本当にソフィーに飼われているような気分になる。
「マーティナ、お手」
右手を差し出す。
「おかわり」
左手を差し出す。
建物の外に連れ出される。
人気のない路地を、ソフィーに引かれながら進む。
リードを持ち、先を歩く女性と、首輪を付け、リードに引かれながら後に続く全裸の女性。
日が落ちているとはいえ、街灯の明かりは私たちを照らしている。
もし近くで見られたら、何をしているのか分かってしまうだろう。
私は周囲に気を配りつつ、認識操作の魔術を広範囲に展開した。
ご主人様と散歩をしている、雌犬のメル。
そう自分自身思い込むことで、術の精度を上げることができる。
途中、何人かの村人とすれ違った。
ソフィーの知り合いらしく、気さくに声をかけてくる。
しばし談笑した後、私を紹介するソフィー。
認識操作の魔術。
あくまで、この人たちには私は犬にしか見えていない。
そのはずだ。
ソフィーに連れられた犬が、実は魔術機関の大佐であるとは、夢にも思っていないだろう。
部下にリードで引かれ、全裸で夜道を歩く変態女。
緊張とスリル。
決して私の正体に気づかれてはいけない。
でも、もし気づかれてしまったら…
建物に戻ってくる。
そのまま、執務室へと四つん這いのまま進む。
「ふふ。お散歩できて、おりこうさんでしたね。それじゃあ、ご褒美あげます。ほら、お尻を向けなさい、マーティナ」
期待に胸を膨らませ…
四つん這いの姿勢のままソフィーにお尻を突き出す。
「まだ触れてもいないのに、もうこんなに濡らして…マーティナはホントにエッチなワンちゃんだね。みんなに裸を見られて興奮したのかな?それとも、お尻を叩かれたくて、期待してるのかな?」
突き出したお尻を、モジモジと動かす。
「私の手、貸してあげます」
ソフィーの手が、私の秘所に触れる。
しかし、触れただけだ。
「手を貸してあげるから、自分で好きに動いてくださいね」
「え?じ、自分で?」
「そう。自分で動くの。嫌なら別にやめてもいいんですよ?」
「い、いや、動く…」
自ら腰を動かし、ソフィーの手の位置を確かめる。
そして、ゆっくりとお尻を前後に動かし始める。
ソフィーの手に、自らの敏感な部分を擦り付ける。
全裸で、四つん這いになりながら、必死にお尻を動かす。
「部下に見下されながら、必死にお尻を振りながらする擦り付けオナニーは気持ちいいですか、マゾ犬さん?」
ただでさえ恥ずかしいのにこうして羞恥心を煽ってくる。
「あ、ああ、気持ちいい、よ…」
「そうですか、よかったですね。腰をヘコヘコ動かして、情けないマゾ犬として、たくさん気持ち良くなってくださいね、マーティナ様?」
恥ずかしさと屈辱、気持ち良さで、頭がぐちゃぐちゃになる。
「マーティナ様がこんな格好をして、こんなことしてるなんて、機関の皆さんは想像もできないでしょうね。だって、あのマーティナ様ですよ?皆が畏怖し、敬愛してやまない、誇り高いマーティナ様。そのマーティナ様が、部下に首輪で繋がれて、犬のように…全裸で腰をヘコヘコ動かしながら、部下の手に擦り付けながら、情けなくオナニーさせてもらってるなんて…想像できませんよね?」
「や、やめろ、言わないでくれ…」
「そんなこと言って、ちっとも嫌そうじゃありませんよ?顔を真っ赤にして、一生懸命、ヘコヘコ、ヘコヘコ…気持ちいんでしょう、マーティナ様?マーティナ様の愛液で私の手はもうビショビショですよ?」
「そ、それは…」
「言わないと、やめちゃいますよ?」
「い、言う!き、気持ちいい…」
「部下の手を借りながらする、腰振り擦り付けオナニー 、気持ちいいんですね?」
「気持ちいい、です…」
「マーティナ様の帰りを待ってる部下の皆さんに見られながら、こんな風に腰振りオナニー、してみたいと思いませんか?」
「な、何を言っている…」
「アリエッタ先輩に正体を知られてしまった時、マーティナ様はとても興奮なさっているようでした。それに、アリエッタ先輩に責められている時も、とても嬉しそうでしたし…」
「そ、そんなこと、ない…」
「マーティナ様はマゾ犬なのですから、部下の皆さんに恥ずかしいところを見られたいと思っても、いいのですよ?マーティナ様の本当のお姿を見てもらい、嗤われたり、からかわれたり、幻滅されたり…それでも腰を振ることを止められず、こうして部下の手にヘコヘコ、ヘコヘコ擦り付けて…」
「言うな!言わないで、くれ…」
しかし、私は腰を動かすのを止められない。
「稀代の魔術師様の、ブザマなマゾオナニー 。見てるのが私だけじゃもったいないですよね。そうは思いませんか、マーティナ様?」
ソフィーの言葉が、脳に染み込み、広がっていく。
「いいんですよ、マーティナ様?恥も外聞もなく、マゾ犬としての本性をさらけ出して、部下の手を使ったヘコヘコ腰振りオナニー で、イッてしまわれても」
「あ、ああ、あ…」
飼い主であるソフィーの手に、自らの股間を擦り付けて…
「でも、イク時はちゃんとイクって言いなさい?そうしないと次からはしてあげませんからね?」
「はっ、はい、わかり…あっ、いくっ、あ…」
「ほら、イク時はちゃんとイクって言いなさい!ほら、イキなさい、マーティナ!ほらほら!」
「ああっ、イキます、イク、ソフィー、様の手で、イクっ、イっちゃう、イッくぅっ…」
全身に電気が走る。
脳がスパークする。
視界が真っ白になり、体が震える…
「マーティナ様、可愛かったですよ。マーティナ様の惨めなマゾ犬腰振りオナニー、ちゃんと映像に保存してあげたから、後で一緒に観ましょうね?」
突っ伏したまま、屈辱感と気だるさに包まれ…
「ありがとう、ございます…」
私はソフィーに感謝の言葉を告げた。
日中は、あくまで私の部下として振る舞うソフィー。
私も、ソフィーの上司として振る舞う。
しかし、秘所には、ソフィーの魔石が入っている。
私の大切な魔力を奪い、ソフィーの糧となる魔石。
魔術師としての大切な資質が、部下に奪われていく。
いや、自ら望んで差し出しているのだ。
こうすることで夜にソフィーから屈辱的な調教を受けることができる。
こうして魔力を差し出すこと自体が、マゾとしての被虐心を刺激されるのだ。
その気持ちに、ソフィーも気付いているのかもしれない。
それでいて、日中はあくまで私の部下としての立場を崩さないソフィー。
上官として、魔術師としてのプライド。
才能、努力、人望、そして、これから訪れるであろう、輝かしい未来。
それが、一人の部下に握られている。
上官として偉そうにしつつも内心は夜の調教を心待ちにしている自分がいる。
大事な場所に入っている魔石に意識を向ける。
力の抜けるような感覚。
魔術師としての大切な魔力が奪われていくのを感じる。
魔力の大きさはそのまま魔術師としての格に現れる。
魔術師として、己の魔力を高め続けること。
それは、幼い頃から親や先生、先輩方に言われてきたことだ。
生まれ持った才能に驕ることなく、努力によって高め続けてきた魔力。
それを、こうして簡単に奪われていく。
そしてそれを、当たり前のように自分のものとするソフィー。
このままではいけない、と思う。
いいわけがない。
しかし…
これまでのソフィーから受けてきた屈辱的な調教。
そして、今夜もあるであろう調教を思うと、下腹部が熱く疼くのだ。
胸が、締め付けられる。
その苦しさ、切なさが、夜の調教を一層待ち遠しいものに感じさせるのだ。
不安と期待が入り混じる。
何とかしなければ。
考えるが、思考はまとまらず、すぐに四散してしまう。
ソフィーに握られている弱み。
今なら、まだ間に合うのでは…?
私とソフィーの能力差は、未だ歴然としている。
実力行使をすれば、その弱みを消すことはできるのではないか。
でも、それをしない、できない。
首に付けられた、忌々しい枷。
これが、反抗心を弱めてしまう。
そして、何より…
『マゾ犬』
ソフィーの声が、頭の中でリフレインする。
脳が甘く痺れる。
『私に魔力を貢ぎすぎて、せっかくのその才能を枯らしてしまわないよう、くれぐれもお気をつけくださいね?』
湧き上がりかけた反抗心が、かき消されていく。
代わりに、下腹ソフィーが熱く反応する。
表情には出さず、しかし夜を心待ちにしながら、業務をこなしていく。
こうして、再び夜がやってくるのだった。
夜。
いつものように、私の魔力を吸った魔石をソフィーに差し出す。
そして、服従のポーズ。
「ふふ。すっかりマゾ犬としての態度が板についてきましたね、マーティナ様?」
「う、うるさい…」
精一杯、虚勢を張る。
しかし、それすらもソフィーを楽しませる一因にしかならない。
「今日は、マーティナ様のために面白いものをご用意しました」
そう言って取り出したのは、金属製の物体。
水着のような…
嫌どちらかと言うと、下着か?
金属製の下着。
「マーティナ様の新しい下着ですよ。マーティナ様ために用意した、特製品です」
下着というには、あまりにも異様で、ものものしい。
「私が付けてあげますね。少し腰を浮かせてください」
金属のベルトのようなものを外し、私の腰に巻きつける。
そして、股の間に、帯のような金属を潜らせる。
嫌な予感がする…
ベルトの部分と、帯の部分が重なる。
重なったソフィー分には留め金が付いている。
カチッという、音。
「これで、よし」
留め金を付けたソフィーの、満足そうな顔。
「私が許可するまで、この下着を外してはいけません。ご自分の意思では、セックスはおろか、オナニーすることもできません」
「そ、そんな…」
「いいですね?」
「そ、それは困る」
「大丈夫ですよ、マーティナ様。我慢できたら、その分私がマーティナ様のこと、気持ちよくして差し上げますから、ね?」
ソフィーが、甘い声を出す。
「くっ…しかし…」
「私が、マーティナ様の大事な所を管理させていただきます。マーティナ様もその方が嬉しいんじゃありません?」
「そんなわけ…」
「ほら、触ってもいないのに隙間からエッチなお汁が溢れてきましたよ?ほら、分かりますか?」
ソフィーの手が触れる。
「あうっ」
思わず、声が漏れる。
「ほら、見てください、マーティナ様。マーティナ様がいくら否定なさっても、マーティナ様の体は私に管理されたがっているのですよ?」
「ち、違う!そんなはず…」
「ほら、素直になってくださいマーティナ様。マーティナ様のここ、私に管理されたくありません?管理、されたいでしょ?マゾ犬の、だらしなくよだれを垂らしているアソコ、私が一生支配してあげる」
「う、そんな…」
「ほら、本当は支配して欲しいんでしょう?マゾ犬として、ご主人様に大事な所、管理されたいでしょう?」
「ちがう…ちがう…」
「魔術師としての誇り。女としての誇り。人としての誇り。私がマーティナ様から奪って差し上げます。ほら、どんどん溢れてきますよ?」
「ちがう、ちがうの…」
必死に否定しても体が、心が勝手に反応してしまう。
「ほら、マーティナ、素直になって?ご主人様に全てを委ねて?とっても気持ちよくしてあげるから、ね?」
「う、うぅ…」
思考力が奪われていく。
反抗心が奪われていく。
「ご主人様が、マーティナのこと、可愛がってあげるから、ね?」
「う、うん…」
「よしよし、いい子、いい子」
頭を優しく撫でられる。
「それじゃあ、マーティナの大事な所を管理してくださるご主人様にお礼を言わないと、ね?」
「う、うん」
「私の大事な所を管理してくださって、ありがとうございます、ソフィー様。はい、続けて?」
「わ、私の…大事な所を、管理してくださって、ありがとうございます、ソフィー、様…」
何も、考えられない。
「マーティナの、大事な所を、一生支配してください、ソフィー様」
「マ、マーティナの、大事な所を…一生、支配してください、ソフィー、様」
その言葉を口にした途端、金属の下着が光を放ち始めた。
「あはは!よく言えました、マーティナ様。お望み通り、一生私が支配してあげる。これからはもう、自分の意思では自分の大切な場所に触れることはできません。私の許可なくして、触れることはできないのです」
「そ、そんなぁ…」
「嫌がっても無駄です。もう、契約は成立しました」
血の気が引く。
「や、やだやだ、え?ほ、ほんとに?」
「本当です。オナニーも、セックスも、私の許可なしにはできません」
「ま、待ってよ、そんなの…」
慌てて、留め金を外そうとする。
ない。
さっきまであったはずの留め金がなくなっている。
「え、え?待って…」
思いっきり力を入れるが、びくともしない。
ありったけの魔力を込めて破壊しようとするが、魔術が発動しない。
私は、また…
自分の愚かさを呪う。
「言ったでしょう?契約は成立したって。マーティナ様が何をしようと、その貞操帯は外れません」
「くっ…」
ソフィーを睨みつける。
「力ずくで、私に外させますか?いくら本調子でないとはいえ、マーティナ様が本気を出されれば、たやすく私をねじ伏せることができるでしょうね。でも…」
余裕そうなソフィーの表情。
嫌な予感がする。
「でも、何?」
「そんなことしたら、一生外せなくなっちゃいますよ?いいんですか?」
目の前がクラクラする。
ソフィーの笑い声。
絶望、怒り、不安、悲しみ。
取り返しのつかないことをしてしまった。
「でも、安心してください、マーティナ様。約束どおり、とっても気持ちよくして差し上げますからね?」
ぐちゃぐちゃになった頭の中に、ソフィーの囁きが入ってくる。
悪魔のような、囁き。
ソフィーを見る。
「今夜も、ご主人様がマゾ犬であるマーティナ様を調教して差し上げます。ほら、跪きなさい、マーティナ」
「あ、ああ、あ…」
声にならない声を上げながら、私はご主人様の足元に跪くのだった。
四つん這いの姿勢を取らされる私。
その背中に、重みを感じる。
ソフィーが、乗っているのだ。
屈辱極まりないが、ソフィーには逆らえない。
悔しくて、情けなくて…
背中に感じる重みが、その思いを一層強くさせる。
少し前までであれば、絶対に許されない事だった。
私の背に跨ったソフィーが、私に映像を見せてくる。
これまでに記録された、屈辱的な調教の数々。
初めて、自らの性壁を告白した場面。
恥ずかしがる私と、得意げなソフィーの声。
上級士官の服を着たソフィーが、全裸で跪いている私を見下ろしている。
土下座した私の頭を踏みつけるソフィー。
「あ、あぁ…」
胸が締め付けられる。
プライドが、踏みつけられている。
頭を踏まれたまま、ソフィーへの忠誠を誓わされる私。
ソフィーに罵られながら、情けなく体を震わせる私。
稀代の魔術師としてのプライドが失われていく様を、見せつけられる。
油断していた。
しかし、こうしてしっかりと記録されていたのだ。
場面が変わる。
ソフィーのバッグから、魔石を取り出す私。
その映像を見ながら、自慰にふける私。
そこに、ソフィーが現れる。
うろたえる私と、軽蔑混じりの表情で私をなじるソフィー。
再び、ソフィーに自らの性癖を告白する。
ソフィーの指示で、服を脱いでいく。
上級士官服を着たソフィーの前で、自らの名前や所属、階級を語る、全裸の女。
私をなじるソフィーに、卑屈な目で応える私。
『そ、それは…私が、マ、マゾ女、だからです』
背筋がゾクゾクッとする。
上級士官服を着たソフィーに、忠誠を誓う。
前回と違うのは、魔石の存在。
突き出した私のお尻に、ソフィーが魔石を近づけていく。
そして、大事な場所に入れられる魔石。
この魔石を使って、魔力を捧げ続けることをソフィーに誓わされる。
しかし、それは吸収の魔石ではなく、契約の魔石だった。
そんなことを知る由もなく、ソフィーに向かって頭を下げる私。
ソフィーがしゃがみ込み、私の首元に手を伸ばす。
そして、首輪をはめる。
服従の魔術が施された首輪を付けられた私。
一層、マゾ犬としての惨めさを増していた。
卑屈な笑みを浮かべる私。
私の耳元で囁くソフィー。
うっとりとした表情を浮かべる私。
残酷な事実を告げられた私が、顔を青ざめさせる。
うろたえる私と、余裕そうなソフィー。
ソフィーに記憶操作の魔術を試み、不発に終わる。
耐魔性のある上級士官服、護符、アミュレット…
全て、ソフィーの計算どおりだったのだ。
場面が変わる。
私の魔力を吸って、光耀く魔石。
それを、悔しそうな表情で私はソフィーに差し出す。
当然のように、魔石を受け取るソフィー。
ご褒美と称した、残酷な事実を告げられた私は、顔を青ざめさせる。
無情にも、来客を告げるベルの音。
入ってきたのは、ソフィーの先輩であり、私の部下であるアリエッタ。
私の認識操作によって、私を犬と認識するアリエッタ。
犬を可愛がるように、私の首やお腹を撫で回す。
卑屈な笑みを浮かべた私は、あくまで犬として振る舞う。
しかし、映像に記録された姿は、犬ではなく、あくまで私本来の姿。
自分の上官を、まるで犬のように可愛がるアリエッタ。
そして、それを嬉しそうに受け入れている、全裸の上官。
認識操作の術が途切れないよう必死だったのだが、こうしてみると、全裸の変態女が犬扱いされて喜んでいるようにしか見えない。
飲み物を運んできたソフィー。
コップ2つをテーブルに置き、その後、お皿を床に置く。
私の目の前に置かれたお皿に、ミルクが注がれる。
少しためらった後、私はミルクに舌を伸ばす。
本当の犬のように、ペロペロとミルクを舐め始める。
それを見て微笑むアリエッタと、笑いを堪えているようなソフィーの声。
お手や、おかわりをさせるソフィーやアリエッタ。
恥ずかしそうにしつつ、右手、左手を差し出す私。
屈辱的なポーズ。
一度、離席するアリエッタ。
ソフィーが、毛束が付いた魔石を取り出す。
球状の凹凸のある魔石が、私のお尻に飲み込まれていく。
お尻から、30cmほどの尻尾が垂れ下がっている。
アリエッタが戻ってくる。
突然振動した魔石に戸惑う私。
心配そうなアリエッタ。
アリエッタの手が、優しく私の体を撫でる。
そして、私の尻尾に触れる。
何かに魅入られたかのように、執拗に私の尻尾を撫で続けるアリエッタ。
立っていたソフィーがしゃがみ込み、私の耳元で囁く。
私の体が痙攣し…
驚いたアリエッタの顔。
意識を取り戻した私に向けられる、アリエッタの視線。
ソフィーにそそのかされたアリエッタ。
私に屈辱的な言葉を投げかけながら、私を組み伏せる。
部下二人に犬として調教される裸の女。
ズボンを脱いだアリエッタに頭を掴まれ、私は強制的に奉仕させられる。
獣のような雄叫びをあげながら、やがて体を震わせるアリエッタ。
場面が変わる。
首輪を付けられた私と、リードを握るソフィー。
ソフィーに引かれるまま、夜道を散歩する。
歩くソフィーの後ろに四つん這いの全裸の女が続く。
すれ違う人が、ソフィーに声を掛け、それから私を見下ろす。
普段は、私に畏敬の眼差しを向けてくる人々。
そんな人々に、私は犬として振る舞う。
認識操作された人々は、私を犬としてしか認識していない。
まさか、あのマーティナが全裸で部下にリードで引かれながら四つん這いになっているとは夢にも思うまい。
部屋に戻ってきた私とソフィー。
ソフィーに、お尻を向ける私。
ソフィーが、私のお尻に手を伸ばす。
私は、その手に秘部を擦り付けるようにして、腰を動かす。
ソフィーになじられながらも、気持ちよさそうに腰を振り続ける。
なんとも情けなく、滑稽な姿。
『ほら、イク時はちゃんとイクって言いなさい!ほら、イキなさい、マーティナ!ほらほら!』
『ああっ、イキます、イク、ソフィー、様の手で、イクっ、イっちゃう、イッくぅっ…』
惨めなマゾ犬が、体を震わせる。
突っ伏した私は、少しして、ソフィーに感謝の言葉を述べる。
そこで、映像は途切れた。
「惨めで情けないマーティナ様に、チャンスをあげます」
「な、なに?」
「これから私と勝負をして、勝ったら貞操帯を外してあげます」
「ほ、本当か!?」
「ええ、本当です。それに、魔力ももう差し出していただかなくても結構です」
またとないチャンス。
しかし、うますぎる話だった。
「勝負というのは?」
「今夜、日付が変わるまでの間に、マーティナ様が一回もイかなかったらマーティナ様の勝ち。もし一回でもイッてしまったら、私の勝ち」
「一回も?そんなの…」
「自信がないんですか?」
「な、なに?」
「でも、安心してください。よわよわの、すぐにイッちゃうマーティナ様でも勝てるように、ハンデをあげます」
頭がカッとなる。
しかし、落ち着かないと。
おそらく、これもソフィーの策のはず。
「私はマーティナ様には触れません。魔石を振動させて…ということもしません」
「な、に?」
「それに、マーティナ様は自由に魔術を使って抵抗してくださって結構です」
「なん、だと…」
「マーティナ様の魔術と、私の魔術の勝負です。どうです?」
「そ、それは…」
「まさか、魔術勝負で私に負けたりはしませんよね、マーティナ様?」
「と、当然だ。私を誰だと思っている」
「ですよね。あのマーティナ様がこんな部下の小娘に負けるはずありませんよね?」
挑発されているのは分かったが、しかし、またとないチャンスでもある。
「その代わり…」
「な、なんだ?」
「もし万一、マーティナ様が負けるようなことがあれば…」
唾を飲み込む。
「マーティナ様のもつ、認識操作の魔術、私に譲ってくださいません?」
「なっ…」
「大丈夫ですよ。私に負けなければいいのです。それに、この忌々しい貞操帯を外すチャンスなのですよ?」
「そ、それは…」
「それとも、自信がないのですか?魔術勝負で私に負けてしまうのが怖いのですか?」
「くっ、貴様…」
「優秀で、綺麗で、スタイルも良いマーティナ様ですから、多くの方々があなたと肌を重ねることを夢見ているのです。その中に、マーティナ様がお心を惹かれる方がいらしても、この貞操帯があっては結ばれることはできないでしょう」
「その言葉、忘れるなよ」
「はい?」
「私に対しての無礼の数々、もう許さん」
ソフィーが魔石を取り出す。
アリエッタの一件で、私が認識操作の魔術を込めた魔石だ。
「マーティナ様なんかより、私のほうがもっと上手に認識操作の魔術を扱えるということを、その身をもって知ってくださいね」
アリエッタ、シンディア、エルヴィナ。
いるはずのない彼女たちが、私を囲んでいる。
「マーティナ様、そのお姿は、いったい…」
驚いているシンディア。
「アリエッタちゃんから聞いてますよ、マーティナ様。私たちがたくさん可愛がってあげますからね?」
不敵な笑みを浮かべるエルヴィナ。
幻想だ。
認識操作の魔術が私に見させている幻想に過ぎない。
分かっているはずなのに…
「赤くなっちゃって、マーティナ様可愛い」
「部下にこんな格好させられて、怒るどころか喜んでるなんて…恥ずかしいと思わないのですか?」
「マーティナ様、ソフィーにつけさせられた貞操帯、外したいですよね?部下にアソコを管理されてるなんて、情けなさ過ぎですもんね。それとも、本当は管理されたいのですか?それならソフィーではなく、私が管理して差し上げますよ?」
不躾な視線と言葉を投げつけてくる部下たち。
それらの一つひとつに、体が、心が反応してしまう。
体に残っている魔力で対抗する。
「ほらマーティナ様、見えますか?聞こえますか?アリエッタ先輩たちが、マーティナ様をいじめに来てくださいましたよ?」
ソフィーの声。
抵抗をすり抜け、私の脳に染み込んでいく。
「ねえ、誰がマーティナ様をイカせられるか競争しない?」
アリエッタが提案する。
「いいね!やるやる!」
すぐに賛同するエルヴィナ。
「先にイかせた人が、マーティナ様のご主人様になれるの」
じゃんけんで、順番を決める3人。
「それじゃ、私が一番ね」
エルヴィナが私の前に立つ。
「ほら、マーティナ様、私がマーティナ様のご主人様になってあげますよ。マゾ犬らしく、きちんとご挨拶してくださいね?」

コメント

  1. fan より:

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    マーティナちゃんの名前が全部マルティナになっちゃってます…
    いつも楽しみにしてます!!
    これからもよろしくお願いします!

  2. slowdy より:

    SECRET: 0
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    >fanさん
    ほんとだ…ご指摘ありがとうございます!
    いやはや、お恥ずかしいです…
    応援、ありがとうございます!
    仕事がバタバタしていたのですが、お陰で元気が出てきました。
    Magic stoneも後半に入りましたが、少しでも楽しんでいただけるような内容でお届けできたらと思います。
    いつも、ありがとうございます。