nursery 前編 (救いの女神 後日談)

いつもの日常。
親や教師からの期待。
部長としての責務。
受験への不安、焦り…
そんな中でも、以前より表情が明るくなったと友人から言われるようになった。
放課後、部活に顔を出す。
私に気づいた部員が挨拶をしてくる。
そして…
篠田がいた。
部活の後輩であり、次期部長候補でもある。
篠田が挨拶をしてくる。
私は表情を変えず、それに応える。
周囲には秘密にしているが、私たちは交際している。
私の表情が明るくなったのだとしたら、それは彼女の存在によるところが大きい。
好きな人が側にいるというのは、なんとも嬉しいような、恥ずかしいような、くすぐったい気持ちになる。
練習に励む篠田の姿が目に入り、そんなことを思う。
あの日、私の秘密を篠田に知られて以来、私たちは二人で過ごすことが多くなった。
といっても、学校にいる間は、二人きりでいることは極力避けた。
部活が終わった後、篠田の家でこっそりと落ち合うのだ。
毎日会うことはできなかった。
毎週、火曜日と木曜日の二日のみ。
そして、今日は火曜日。
貴重な二日のうちの一日。
私の性癖を知った篠田は、からかったり、好奇の目を向けてくることはなく、誠実に向き合ってくれた。
もともと、お互い相手を意識していたということもあり、恋人同士の関係になるのにさほど時間はかからなかった。
ただ、ほかの部員の手前もあり、交際していることは誰にも話してはいない。
まして、親や学校側に知られたら、なんと言われるか。
部活が終わった後、少し時間をおいてから、篠田の家へと向かう。
閑静な住宅街。
立ち並ぶ住宅のうちの一軒の前で、歩みを止める。
玄関のチャイムを鳴らす。
ドアが開き、笑顔の篠田が出迎えてくれた。
篠田の部屋で、他愛ない雑談をする。
周囲の重圧から解放され、心から楽しいと思える貴重な時間。
こんな時がずっと続けばいいと願うが、無情にも時間は過ぎていく。
そして…
「じゃあ、宮原先輩、いいですよ、始めてください」
篠田の声色が変わる。
先輩と後輩の関係から、ペットと主人の関係に変わる瞬間。
私は、この瞬間が好きだった。
「はい、分かりました…」
スマホを私に向ける篠田。
篠田の前で、私は服を脱いでいく。
一糸まとわぬ姿になった私。
篠田が、私に体を寄せる。
篠田の香り…
チリン、という音がして、篠田が離れる。
首輪。
篠田、いや、ご主人様から、ペットである私へのプレゼント。
鈴が付いており、動くたびに音が鳴る。
「たま、おいで」
「にゃあん」
ベッドに腰かけたご主人様の足元に座り、膝に頭を乗せる。
その日によって私は『ポチ』や『たま』になる。
『ポチ』の日は、ご主人様の命令で恥ずかしいポーズをしたり、ご主人様に気持ちよくなってもらえるようご奉仕をする。
『たま』の日は、ご主人様に自由に甘えてもよい日なのだ。
私は、ご主人様の太ももに顔をすりつける。
「ふふ、たまったら、甘えん坊なんだから…」
ご主人様が、優しく頭を撫でてくれる。
私はとても満たされたように感じ、ノドをゴロゴロと鳴らした。
「いっぱい甘えていいんだからね?」
ご主人様の声。
「にゃあ…」
私は嬉しくて、ご主人様の太ももを舐めた。
「あはは、こら、たま、くすぐったいでしょ」
「にゃあん」
上目遣いで、ご主人様を見上げる。
「ん、どうしたの?抱っこしてほしいのかな?」
「にゃあ」
「ふふ、いいよ、おいで?」
ベッドの上に乗り、お腹を上に向けた状態で、ご主人様の膝上に横になる。
ご主人様が、私のお腹を撫でる。
くすぐったくて、体をよじらせる。
「こーら、じっとしてなさい」
優しい声。
目が合う。
慈しむような、穏やかな目。
このまま、全てを委ねてしまいたくなるような安心感。
「にゃあ…」
「ふふ、眠たくなってきちゃったの?いいよ、しばらくしたら起こしてあげるから、このまま寝ちゃいなさい」
ご主人様の子守唄。
「にゃ、あ…」
私はいつしか夢の中へと入っていった。
「ごめん!ホントに寝ちゃうなんて…」
「いいんです。きっとお疲れなんですから、こんな時くらいゆっくりしてください」
「うん…」
「それに、宮原先輩の可愛い寝顔、じっくりと堪能させてもらいましたから」
「も、もう!」
「ふふ、と笑う篠田。
「じゃあ、またね」
「はい、先輩もお気をつけて」
幸せな気持ちと、名残惜しさと。
部長としての責務や受験のプレッシャーが消えたわけではない。
しかし今は、弱みを晒せる存在がいるのだ。
木曜日。
部活が終わった後、逸る気持ちを抑えつつ、篠田の家へ向かう。
「ほら、ポチ、さっさと脱ぎなさい」
『たま』のご主人様と違い、『ポチ』のご主人様はまさに調教といった感じだった。
「わ、わん!」
私はご主人様の前で服を脱いでいく。
全裸になり、上目遣いでご主人様の様子をうかがう。
「こっちに来なさい」
四つん這いになり、ご主人様の足元まで来る。
「お手」
ご主人様が手を差し出してくる。
私は、すぐに右手を乗せる。
「よし、おかわり」
反対側の手。
すぐに、左手を乗せた。
「よし。じゃあ、コレ、付けてあげる」
ご主人様が取り出したのは、ポチ用の首輪。
ただし、たまの時とは違い、鈴は付いていない。
「いい格好だね、ポチ。今日もたくさんかわいがってあげるから」
「わん!」
「ふふ…」
ご主人様が、靴下を脱ぎ始める。
脱いだ靴下を手に持ち、私の鼻先に持ってくる。
「ほら、これがご主人様の靴下のニオイよ。よく覚えなさい」
「わふ…」
夢中でニオイをかぐ。
頭が痺れたようになる。
「ほら、取ってきなさい」
ご主人様が、靴下を放り投げる。
四つん這いのまま、靴下の所へとハイハイで進む。
ご主人様の靴下。
顔を近づけ、咥える。
そのまま、ご主人様のもとへ届ける。
靴下を受け取ったご主人様が、頭を撫でてくれる。
「いい子だね、ポチ。ほら、もう一回取ってきなさい」
再び放り投げられた靴下を、私は取りにいく。
そうして、何度も放り投げられた靴下を、私はそのたびに取ってくるのだった。
『ご主人様に褒められたい』
『ご主人様に頭を撫でてもらいたい』
私の頭にあるのはそれだけだった。
「よし」
ご主人様の声。
「きちんとできたご褒美、あげる」
そう言って、生足を私に突き出す。
「ほら、私の足舐めたいんでしょ?いいのよ、好きなだけ舐めさせてあげる」
ご主人様の官能的な声。
ご主人様の足。
口の中で、唾液が溢れ出てくる。
鼻を、つま先に近づける。
思い切り吸い込む。
鼻腔に、ご主人様のニオイが広がっていく。
「どう、部活の後だから、いいニオイでしょ?ポチはこのニオイが大好きだもんね」
ご主人様が言い終わるよりも先に、私はつま先を口に含んだ。
舌先で、ご主人様の足の指を丁寧になぞる。
上目遣いで、ご主人様を見る。
ベッドの上で、満足そうに微笑むご主人様の顔を見て、私も満たされた気持ちになる。
もっと気持ちよくなってほしい。
その一心で、私は舌を動かし続ける。
「はい、じゃあ次はゴロン、ってして」
仰向けになるよう指示される。
ご主人様にお腹を見せるような体勢で横になる。
こうしていると、私の全てをご主人様にさらけ出しているようで、服従していると実感できる。
ご主人様の左足が、私の口元まで近づく。
私は舌を伸ばし、足の指先や指の股、足の裏を舐めとっていく。
私の鼻息が荒くなっていく。
ご主人様の呼吸も、早く、どこか艶を帯びたものになっている。
喜んでもらえているのだと思い、嬉しくなる。
「はい、足はこれで終わり」
ご主人様の声。
「ポチ、起きなさい。ポチの大好きなアソコ、舐めさせてあげる」
はね起きる。
顔を上気させたご主人様が、スカートと下着を脱ぎ捨てる。
ご主人様の、大切なアソコ。
私は四つん這いの姿勢で、ご主人様の大事な場所を見つめる。
「ほら、ポチ、足舐めが上手にできたごほうび、ほしいでしょ?」
「わ、わん!」
「でも、まだだめよ。私がいいと言うまで、待て、だからね?」
口の中に、唾液が溜まっていく。
私はそれを、喉を鳴らして飲み下した。
ご主人様の女のニオイが、鼻腔をくすぐる。
早く、舐めたい…
舐めて、気持ちよくしてあげたい…
「ふふ、切なそうな顔しちゃって…いいよ、ポチ、舐めなさい」
ご主人様の許可。
私は四つん這いの姿勢のまま、顔をご主人様のアソコに近づける。
舌先で、ご主人様の突起に優しく触れる。
ご主人様の、甘い声。
私は嬉しくて、その突起を何度も何度も、優しく舌先で愛撫する。
ご主人様の声が、少しずつ大きくなっていく。
突然、頭を掴まれた。
ご主人様の大事な場所に、顔が押し付けられる。
それでも私は、敏感な突起への奉仕をやめなかった。
ご主人様の、甘く切なそうな声。
その声を聞くたび、私のお腹も熱く、切なくなる。
そして…
ご主人様は、一際大きな声とともに、体を震わせた。
「じゃあ、次はお散歩に行くよ、ポチ」
「わん」
私の首輪に紐をくくりつけるご主人様。
散歩といっても外に出る訳ではなく、室内で行う。
ご主人様にリードを引っ張られ、四つん這いで後に続く。
服を着ているご主人様と、全裸の私。
ご主人様の両親は、仕事の都合上、火曜日と木曜日は夜遅くにならないと帰ってこない。
今はご主人様と私の二人だけ。
それでも、人の家で全裸で這い回るのは勇気がいった。
リビングで、同じ場所をぐるぐるとまわる。
鏡。
リードを持つ女の子と、四つん這いで這い回る全裸の女。
同じ場所を通るたび、その姿が目に入ってくる。
鏡の前で、ご主人様が立ち止まる。
「ほら、よく見なさい、ポチ。これがあなたの本当の姿なのよ」
鏡には、四つん這いの姿勢で顔を真っ赤にしたメス犬が一匹。
「お前は私のペットなの。私が責任を持ってお前を飼ってあげるからね」
「わん…」
「ん?どうしたの?もしかして、興奮しちゃったの?」
「わ、わん…」
恥ずかしくて、うつむきながら答える。
「よし、じゃあ、ここでオナニーしなさい」
鏡ごしに、ご主人様を見る。
「鏡に映った自分自身を見ながら、オナニーするの。自分が一匹のメス犬で、私に飼ってもらっているというのを噛み締めながらしなさい。いいわね?」
「わ、わん!」
鏡に映ったメス犬が、私を見つめる。
前足を使い、自らの胸とアソコを器用にいじる。
その隣には、メス犬の飼い主がリードを持ちながら立っている。
メス犬が切なそうな顔をしている
もう、達しそうなのだろう。
よだれを垂らし、だらしない顔をしたメス犬。
メス犬が大きな鳴き声をあげ、体を震わせたのと同時に、私も絶頂に達した。
「ねえ、先輩。私、やってみたいことがあるんです」
私の髪を撫でながら、篠田が言う。
「ん?何?どんなこと?」
篠田膝に頭を乗せたまま、私は聞いた。
プレイの後の、甘い時間。
篠田の親が帰ってくるまでの、束の間のひととき。
「その…引かないでくださいね?」
恥ずかしそうな篠田。
「あの、実は以前から興味があって…先輩を赤ちゃんとして可愛がってあげたいんです」
「う、うん…」
「だめ、ですか?」
遠慮がちに、私の顔を覗き込む篠田。
「だめじゃない、よ」
「よかった…」
ホッとした表情の篠田。
「実は、あの日…先輩が部室で、その、一人でしてるのを見た日…」
「あ、うん…」
思い出し、私も少し恥ずかしくなる。
「あの日、先輩に言われたことがずっと頭に残っていて…先輩、私に、お母さんみたいって言ったの、覚えてます?」
「あー、言ったっけ、そんなこと」
覚えていたが、恥ずかしくて、ついそんなことを言ってしまう。
「あの時からずっと、赤ちゃんになった先輩のお世話をしてあげたいなって思ってたんです」
ふふ、と笑う篠田。
「来週までに、準備しておきます。楽しみにしててくださいね、先輩?」

コメント

  1. 匿名 より:

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    誤字のご報告です
    私は表情を買えず、それに応える。
     変えず
    鏡に映った自分自信を見ながら、
     自分自身

  2. slowdy より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ご指摘ありがとうございます💦
    修正いたしました!