救いの女神 2話

翌日。
何も変わらないはずの日常。
登校中も、授業中も、部活中も、普段通り振る舞う。
しかし、ある映像が頭から離れない。
考えないようにしなければ。
そう思えば思うほど、かえって鮮明に浮かんでしまう。
昨夜見た、二人の女の子。
卑屈な表情を浮かべた、全裸の女の子。
そして、彼女を蔑むような笑みを浮かべながら、従わせていた女の子。
彼女たちの表情が脳裏に浮かぶたび、身体が熱くなる。
友人から、心配そうに声を掛けられた。
慌てて「大丈夫」と応える。
夜、いつものように机に向かう。
しかし…
「だめだ、集中できない」
勉強しなければと思うのに、気付くとスマホに意識が向いている。
見たい…
昨日みたサイトを、もう一度見たい…
しかし、それは同時に、自分が恥ずかしい性癖を持っていると認めることになる。
もう、寝てしまおう。
電気を消し、ベッドに潜り込む。
しかし、どうしても眠れない。
無意識に、スマホに手が伸びていた。
閲覧履歴から、昨日のサイトにアクセスする。
見るのは、昨日の二人。
画像が目に入った瞬間、左手でスマホを操作しながら、右手をスボンの中に入れる。
自分の気持ちいいところを、何度も擦り上げる。
左手は自分の意思を離れ
彼女たちの痴態を追い求める。
全裸の女の子に自分を投影する。
制服を着た女の子が、蔑んだ目で私を見ている。
首輪に付いたリードを引っ張られながら、四つん這いで彼女の後を追う。
恥ずかしいポーズを取らされ、恥ずかしいセリフを言わされ…
彼女が私にスマホを向ける。
私は動画を撮られていることを知りながら、なおも続ける。
いえ、撮られていることを意識することで、更に身体が燃えるように熱くなる。
「ほら、いつものお願い、してごらん?」
彼女の声。
私は、彼女に跪く。
「お、オナニー、させてください」
勝ち誇った表情を浮かべる彼女。
「ねえ、今スマホで撮ってるんだよ?オナニーしたら、宮原先輩の恥ずかしい姿がずっと残っちゃうんだよ?分かってる?」
「はい、分かってます…」
「ふぅん。じゃあ、許可してあげる。宮原先輩が情けない顔してクリトリスを擦ってるところ、ちゃんと撮ってあげる。あとで皆に見てもらおうね」
皆に見られる…
私の友人や、後輩たちの顔が浮かぶ。
彼女たちが、今の私を見たらどう思うだろう。
「ねえ宮原先輩、きっと幻滅されちゃうよ。普段あんなに偉そうにしてる宮原先輩が、本当はマゾなヘンタイだったなんて…亜架里ちゃんなんて、宮原先輩のこと、格好いいって言ってるんだよ?それなのにこんな格好して、情けなくオナニー させてもらうのが好きなヘンタイさんだって知ったら、亜架里ちゃん、どんな顔するかな」
実際の部活の後輩の顔が浮かぶ。
「ほら、亜架里ちゃんに謝って。宮原麻衣は、本当はどうしようもないマゾ犬です。亜架里様の思っているような、立派な人間ではありません。がっかりさせてごめんなさいって」
亜架里の蔑んだ顔。
亜架里に向かって、私は必死に謝った。
「あはは!謝りながらも、手の動きは全然止めないのね。それどころか、更に速くなってない?」
彼女の言葉に、更に感情が昂ぶっていく。
「ほら、もういきそうなんじゃない?でも、勝手にいっちゃだめよ」
「そ、そんな…」
「いきたかったら、ちゃんとお願いしなさい。私は、惨めなマゾ犬です。どうか惨めな私が情けなくいってしまうことを許してください。ほら、言って」
土下座をしながら、彼女の言葉を復唱する。
「分かった。そこまで言うなら許してあげる」
そう言って、私の頭に足を乗せた。
屈辱感、そして背徳感。
悔しいのか、嬉しいのか、感情がないまぜになっている。
頭を踏まれたまま、私は何度も感謝の言葉を述べた。
やがて、彼女の高笑いを聞きながら、私は達した。

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