そして、気付けば終了の時間。
調教開始から3時間が経とうとしていた。
身バレ防止のため、先にホテルを出る3号、4号。
そして…
「ホントにいいんですか、畑川先輩?」
鳥越が申し訳なさそうな顔をする。
「気にしないでよ。後は私たち3人で片付けておくからさ。それより、今日はありがとね、二人とも」
「こちらこそ、ありがとうございました。また、よろしくお願いします。新田も、ありがとね」
1年生二人が、お辞儀をする。
「1号ちゃん、バイバーイ」
去り際、浜本が私に向けて手を振る。
ドアの閉まる音。
しばしの静寂。
「さて、と…」
新田が、つぶやく。
そして…
私と畑川に、向き直った。
イジワルな笑みを浮かべて。
「それじゃ、第二部を始めましょうか」
ソファに座る新田。
その足元で正座する、ペット2匹。
私のとなりには、畑川。
さっきまで着ていた私服ではない。
全頭マスクと水着。
そして、2号と書かれたビブス。
サディスト気取りの仮面は剥がされ、いつもの弱々しい瞳の畑川が、そこにいた。
「お疲れさま、2号。言われたとおり、ご主人様のフリができて、偉かったね」
「あ、ありがとうございます…」
「玲奈と風香ちゃんも、アンタのこと、カッコイイってさ。よかったね」
何と返事していいか分からないのだろう。
少し困ったような笑みを浮かべる畑川。
「でもさぁ… 服の下にそんなの付けてるって知ったら、どんな反応するだろうねえ」
「そっ、それはぁ…」
「ねぇ、どうする?2人に、本当のこと知ってもらう?あんなエラそうにしてたけど、実はドMの情けないセンパイなんですぅ。後輩に貞操帯で管理していただいている、憐れな寝取られマゾ女なんですぅ、って」
畑川が、唾を飲み込んだ。
「今日だってさぁ、1号と3号がキスしてるのを、すっごい顔して見てたもんねぇ。何食わぬ顔を装いながら、目に涙を浮かべてさ。太ももをモジモジさせて、食い入るように見てたんだよね?目に焼き付けて、どうするつもりだったのかな?」
「そっ、その…」
「したかったんでしょう、オナニー?」
畑川が、チラッと視線を上げる。
新田の左手にある、スマホ。
今、この瞬間も撮られているのだ。
「どうなの?」
「しっ、したいです…」
掠れた声。
「何を?」
「おっ、オナニーしたいです…」
「ぼそっとしゃべんな。はっきり言いな!」
「オナニーしたいです!オナニーさせてください!」
後輩に叱責されながら、大声で懇願する畑川。
その目には涙が浮かんでいた。
悔しそうな、情けなさそうな顔。
でも、新田も私も知っている。
こうして焦らされることも。
言葉で言わされることも。
顔だけでなく、全身がほのかに紅潮する畑川。
マゾのスイッチが入り、劣情に苛まれているのだ。
しかしその熱は、彼女の意思では冷ますことはできない。
彼女の後輩であり、ご主人様でもある新田が身に付けているネックレス。
銀色の鍵が、鈍く光を反射する。
泣きそうな、切なげな視線を、ご主人様の首元に向ける。
畑川が付けている。鉄の下着。
「貞操帯、外してあげよっか?」
「お願いします!外してください!」
「そうなんだぁ。そんなにしたいんだ、寝取られマゾオナニー?」
「しっ、したいです!寝取られマゾオナニー!」
「でも、いいんですかぁ?畑川センパイがそんなことしてるなんて知ったらぁ…玲奈と風香ちゃん、悲しんじゃうかもしれませんよぉ?」
「そっ、それは…」
「二人にとって、カッコイイ先輩でありつづけることもできるんだけどなぁ」
言いながら、指先で貞操帯のカギを弄ぶ新田。
困ったような表情で見上げる畑川。
葛藤する畑川を、残酷な小悪魔が嘲笑う。
「いいんですよ、畑川センパイ。お好きなほうを選んでくださいね。二人の憧れる、カッコイイ畑川先輩でありつづけるかぁ。情けなーく私にオネダリしたあげく、寝取られオナニーをさせてもらう、下品で恥ずかしいマゾ女になるか」
畑川の、うめき声。
新田が、首からネックレスを外した。
指先でつまみ、畑川の目の前で揺らす。
「ほら、選んでください?カッコイイ先輩?それとも、情けないマゾ女?」
畑川が、ゆっくりとカギに手をのばしていく。
「えー?取るの?取っちゃうの?玲奈とYの気持ち、裏切っちゃっていいんですか?憧れてた先輩が、ふたりとも、がっかりするだろうなぁ」
「うぅ…」
畑川が手を引っ込める。
「でもでもぉ、二人の気持ちを裏切ってする負け犬オナニーって、すっごい背徳感があって、気持ちいいんじゃないですかぁ、畑川センパイみたいな人にとっては?そう思いません?」
目に涙を浮かべた畑川が、カギを睨みつける。
新田が、指先でカギを弾いた。
キンッ!
小さな、乾いた音を立てて、カギが揺れる。
「あっ…」
思わず、声を漏らす畑川。
残虐な笑みを浮かべた新田。
再び、指で弾く。
ぞんざいに扱われる、小さなカギ。
新田にとってはオモチャのようなもの。
しかし、畑川にとっては自身の尊厳に関わる貴重なカギだった。
「ほら、頑張って!頑張って耐えて、ステキな先輩であり続けましょう?畑川センパイなら、耐えられるでしょ?こんなカギなんて、要らないでしょ?」
カギを見ては俯き、俯いてはカギを見る畑川。
「エライですよ、畑川センパイ。大好きな中谷センパイが、三井センパイと情熱的なチューをしてるところ見て、エッチな気分になっても、ちゃーんとガマンできるんですもん。寝取られマゾなのに、ほら、体だって、エッチなことしたくて火照ってるんでしょう?畑川センパイのキモチイイところ、くちゅくちゅって、コシコシって、したくてたまらないんでしょう?それなのに、顔を真っ赤にしながら必死に耐えてるセンパイ、カッコいいです。二人にも見せてあげたいくらい」
「うーっ、うーっ…」
カギを睨みつけながら。
唇を噛みしめ、必死に耐える畑川。
「あれ?もしかして、ガマンできなくなっちゃった?でも、ダメですよ?!もし取っちゃったら、二人にも見せちゃいますよ?カッコイイ畑川先輩が、アホ面晒しながらマゾオナニーしてるところ。そんなの、イヤでしょ?だったらガマンしなきゃ。ほーら、ガマン、ガマン!」
イヤイヤをする、畑川。
「ダーメ!ガマンしなさい、畑川センパイ。ガマンできるでしょ?1年生たちにバカにされながらオナニーなんて、したくないよね?ほら、思い出して?中谷センパイと三井センパイの、濃厚でラブラブなキス。ベロとベロを絡ませてぇ、唾液たっぷりのキス。ほら、このスマホにも撮ってあるよ?あんなの観ながらオナニーなんてしたらぁ、頭の中、ぐちゃぐちゃになっちゃうよ?それなのに、1年生を裏切ってするダメセンパイのダメオナニー。背徳感で、脳みそ、ドロドロに溶けちゃうよ?いいの?ホントにいいの?」
畑川の指が、震えながらカギへ伸びていく。
「そんなにオナニーしたいのぉ?しょうがないなぁ。じゃあ、このスマホを見ながら、『玲奈様、風香様、騙しててごめんなさい。マゾ女が寝取られオナニーするところ、見ててください』って、言ってみな?そしたらさせてあげる」
「あーッ!!」
声にならない声。
プライドの砕ける音が、聞こえた気がした。
「玲奈様、風香様、騙しててごめんなさい!マゾ女が寝取られオナニーするところ、見ててください!」
余裕のカケラもない畑川。
スマホを睨みつけながら、一気にまくし立てた。
「アハハ!躊躇いもなく言ったねぇ。さっきも言ったけど、このカギ取ったら二人にも見せるからね。アンタのなっさけない姿を見ながら、三人で嗤ってあげる。それでもいいなら、好きにしな、ヘンタイ」
ガッと、カギをひったくる畑川。
そのまま、貞操帯のカギ穴へとあてがう。
「あーあ、取っちゃった。もう戻れないからね。玲奈と風香ちゃん、どんな顔するかな?楽しみだねぇ」
興奮のあまり、手が震えている畑川。
カチャカチャと音を立てるばかりで、いっこうに貞操帯を脱ぐことができない。
そんな畑川を楽しそうに撮影している新田。
「マゾ欲に耐えられなくなったヘンタイの末路でーす。ほら、玲奈と風香ちゃん、見て?必死すぎる畑川パイセンの顔。あんなすました顔してたけど、これがこの人の本性だからね。可哀想?情けない?ガッカリした?2号って、自分の恥ずかしい姿を見られたり、バカにされるのも大好きなヘンタイマゾ娘ちゃんなんだよ。これからオナニーする姿を撮られるってのに、ほら、こーんなにコーフンしてるでしょ?」
そう言って、畑川の顔にスマホを近づける。
「ほら2号、これから玲奈と風香ちゃんに、オマエのオナニーを見てもらうんだから。始める前に、ちゃんとお願いするんだぞ?」
「はっ、はいっ…」
ふーっ、ふーっと鼻息荒く。
乱暴に手を動かし続ける畑川。
金属同士の擦れる音。
「ちょっと2号、気をつけなよ?もしそのカギを折っちゃったら、もう2度と貞操帯外せなくなっちゃうんだからね?そしたらアンタの大好きなオナニーもできなくなるかんね?」
ようやくカギを外せた畑川。
喜色を浮かべ、冷たく光る鉄の下着を脱ぎ捨てる。
そして、新田の足元に跪く。
「ほーら、こっち見ろ畑川。スマホ見ながらオネダリしろって」
土下座をした畑川が、顔を上げる。
「おっ、オナニー、させてください」
「玲奈と風香ちゃんにオネダリすんの。今後は二人にも飼ってもらうんだから、ちゃんと二人の顔を思い浮かべながら、心を込めてお願いするんだぞ?」
「玲奈様、風香ちゃん様…騙しててごめんなさい…わっ、私は…あんな偉そうな態度をとってたけど、ホントは、マゾ、なんですぅ…2号は、私のこと、なんですぅ…」
上目遣いでスマホを見つめながら。
震える声で、告白する。
「こ、これからは、私のことも…い、イジメて、ください…私のこと、ペットとして、可愛がって、くださいぃ…」
情けない言葉とは裏腹に、その目は期待に満ちていた。
「お二人に忠誠を誓うため…私の、マゾオナニーを、お見せします…見ててください…」
「よし、始めな」
右腕を、股間に差し入れる。
「あっ…」
眉根を寄せ、悩ましげな吐息。
「なーにが忠誠を誓うため、だよ。オナニーしたいだけだろうが、マゾ女。ほら、プライドと引き換えに手に入れたオナニーはどう?後輩たちに教えてあげな?」
「ぎ、ぎもぢいぃ、ですぅ…」
ギュッと目を閉じて。
思い浮かべているのだろうか。
私と三井のキスシーンを。
「あーあ、せっかく、ご主人様役をさせてあげてたのに。でも、やっぱりオマエは、そっちのほうがお似合いだよ」
新田の言葉が聞こえているのかいないのか。
一心不乱に『耽る』畑川。
「次は、そのビブスを付けて二人の前に出な。そしたら、二人も分かるだろうね。オマエが『どっち側』なのか。そんで、自己紹介するの。詫びながら、ね。『騙しててごめんなさい。2号は、私なんです。これからは先輩ではなく、ペットとして、お二人にイジメてほしいです』って。
そしたら、オマエもマゾ犬として可愛がってもらえるね。よかったじゃん。そんで、この動画も見てもらおうね。いっぱい嗤われて、いっぱい詰られて、焦らされて、バカにしてもらおうね。分かった?」
「わ、わがり、まちたぁ…」
「ニンゲンの言葉でしゃべんな。ワン!だろ、マゾ犬」
「わ、ワンッ!」
「玲奈と風香ちゃんだけじゃないからね。いずれは1年生全員に見せるから。ほら、思い浮かべな、アンタが先輩面してた後輩たちが、アンタを取り囲んでるところを。蔑まれながら、バカにされながら、オネダリするの。玲奈と風香ちゃんだけじゃなくてね。くやちくて、はずかちくて、あたま、おかちくなっちゃうね?あたま、ドロドロにとかして、バカになっちゃおうね?わかちまちたか?」
「わ、わかり、まちたぁ…」
「ワン、だろーが。何度も言わせんなよ?」
「わ、ワンッ!」
「ほら、目ぇ閉じんな。スマホ見てオナれ、マゾ犬。オマエのアホ面が撮れないだろーが」
「わ、ワンッ!」
血走った目で、スマホを見つめる、憐れな2年生。
「後輩に命令される、従順なマゾ女、撮影中で~す!ほら、見てくださってる1年生に自己紹介しな?」
「ワンッ!ワンッ!」
「ニンゲンの言葉使わせてやるから、ちゃんと喋りな!1年生はオマエと違って犬語は分からないんだよ!」
「わっ、私は、後輩に…新田様に、飼っていただいている、マゾ犬ですぅっ!普段は、貞操帯、でっ…管理されてて、オナニーも満足にできない、情けない女ですぅっ!」
「管理されててって、なに?私が管理してあげてるんだけど?」
「もっ、申し訳ありま、せんっ!に、新田、さま、に、貞操帯のカギを管理していただいて、いますっ!」
新田に詰られながら、己の性癖を告白していく畑川。
眉根を寄せ、目を閉じる畑川。
「だぁから、目ぇ閉じんなってぇの!」
「はいぃっ!」
「犬語!」
「ワンッ!ワンッ!」
目を血走らせ、スマホに吠える。
淫靡な水音を立てながら、生殖器を弄る忠犬。
快楽を貪る、淫猥な雌犬。
そんな彼女を見下ろす新田の目にも、狂気が宿っていた。
新田の言うように、今の姿はいずれ1年生たちに公開されてしまうのかもしれない。
取り返しのつかないことをしている。
その自覚はあっても、己を止めることはできない。
むしろ、取り返しがつかないからこそ。
脳内で分泌される、麻薬のような快楽物質。
後悔と恐怖が強ければ強いほど。
こみ上げるような性的興奮が、脳を、全身を焼いていく。
年下の少女にオモチャにされている。
分かっていても、抵抗できない。
それどころか、自ら進んで差し出したくなってしまうのだ。
よく分かる。
事実、私の体もドロドロに発情していた。
さっきから、子宮が反応して、切なさでどうにかなってしまいそうだった。
そんな私たち…マゾな雌犬たちを煽るように、新田が言葉を浴びせ続ける。
「1年生のみんなが、オマエのこと見てるよ?あーあ、知られちゃったねぇ。オマエがどうしようもないマゾ女だってこと。ほら、どんな目で見られてる?どんなこと言われてる?悔しい?恥ずかしい?でも、オマエが自分で選んだんだからね。もう、彼女たちはオマエの後輩じゃないよ?オマエのご主人様なの。マゾ犬として、ペットとして可愛がってもらえるといいねぇ。それとも、焦らされたり、バカにされたりしたい?ほら、みんなに教えて?どんなことされたいのか、言ってみな?そしたら、オマエが望んでるようなこと、してくれる子がいるかもよ?」
トロンとした目で、スマホを見る畑川。
期待か、それとも破滅願望か。
口の端から、だらしなく涎を垂らしながら。
呂律の回らない畑川が、己の願望を告白する。
それを、イジワルな口調で揶揄う新田。
「しばらく、そこでそうしてな。私はコイツ…1号と遊んでるからさ。でも、イッちゃだめだかんね。イキそうになったら、『イキそうです』って、ちゃんと言いな。そしたら『止めろ』って命令してあげるから。ズルはすんなよ?スマホで撮ってるかんな?そのかわり、いいって言うまで続けられたら、ゴホウビ、あげる。見たいんでしょ?中谷センパイと、三井センパイのベロチュー。唇と唇、舌と舌を絡ませながら、貪るようにお互いを求める、ラブラブなキス。嫉妬で身を焦がすような、寝取られオナニー。させてあげるからさ」
三脚を取り出し、スマホを固定する新田。
「ほら、1号。お尻出しな?今日は手で叩いてあげる」
妖艶な笑みを浮かべ、私を見下ろすご主人様。
「あうっ!あうっ!」
グズグズに沸騰した私の脳に、更に熱せられた油が注がれる。
理性が焼けただれ、私の口からは意味をなさない言葉が漏れる。
待ちきれないもどかしさと、寵愛を受ける期待。
早くっ!早くっ!
尻を振りながら、飼い主に喜びを精一杯表現する。
「あはは!こっちのワンちゃんも、すっかり出来上がってたみたいだねぇ」
背後から、ご主人様の声。
「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ…」
舌を出しながら、犬のように呼吸をする。
だらしない、緩みきった表情をしている。
こんな顔、後輩たちが見たらなんて言うだろうか。
入れ替わり立ち代わり、脳裏に浮かんでは私をあざ笑い、罵っていく1年生たち。
ケモノのような鳴き声を、畑川が上げる。
いや、鳴いたのは私か。
分からない。
理性も、感情も、ドロドロに溶けていく。
「久しぶりに、真っ赤になるまで叩いてやるかんね。いい声で鳴きなよ?…って、叩く前から、もうこんなになってんだけど?」
ご主人様の手が、太ももに触れる。
そして、私の顔の前に差し出される。
突き付けられた、発情の『証』。
「よっぽど、期待してたんだ?それとも、コイツへの調教を見て、興奮しちゃった?ふーん、そっか。オマエもコイツみたいに扱って欲しいんだ?」
そう言いながら、濡れた手を私の尻で拭う。
「あうっ!あうっ!」
「あっはは!そうなんだぁ!いいよ、分かった。アンタも一緒に1年生たちの前で自己紹介させてあげる。ほーんと、なっさけない人たち。でも、どんな反応するだろうね。きっと、コイツの時以上にビックリするだろうねぇ。なんたって、あの『中谷先輩』だもんねぇ。アンタの恥ずかしい姿も、1年生たちの表情も、ちゃんと撮っといてあげるからね。もちろん、1年生のグループチャットで共有するし、新しく入ってくる新入部員たちにも見せちゃうから。どんなに偉そうに気取ってたって、こんな姿見られたら、ケーベツされちゃうだろうねぇ。あーあ、可哀想…おい2号、こっち見るなよ?見たら、オナニーは中止な。貞操帯履かせて、そのまま帰らせるから。分かったな?」
「わ、ワンッ!ワンッ…ワッ…イッ…イグッ、イギそっ!イギマスッ!イグイグッ…」
「ダメ!イクな!」
「グ、グゥ…」
身を屈め、くぐもった声をあげる畑川。
「そうそう、ガマンしな?マゾに生まれたことを感謝したくなるくらい、悔しくて、情けなくて、気持ちいーいオナニー、させてもらいたいんでしょう?だったら、ガマンしましょうね?畑川センパイ?」
「わっ、ワンッ…」
「いいお返事ですよ、マゾの畑川センパイ。ほら、少し休んだら、再開してくださいね。エッチな顔をしながら、おマタを弄ってる情けないお顔を、1年生のみんなに見てもらいましょうね?ほら、分かったらさっさと始めな、ヘンタイ」
「わっ…ワンッ!ワンッ!」
畑川への言葉だと分かっていても、私の体が熱く反応する。
「さーてと、お待たせ。こっちのマゾ犬ちゃんも、可愛がってあげる。柔らかくておっきな、1号のお尻。いつか1年生のみんなにも見てもらおうね?2号、オマエも同席させてあげる。と言っても、土下座しながらね。お尻を叩く音と、1年生たちのはしゃぐ声、一番近い場所で聞かせてあげる。感謝しなよ?」
パァン!
乾いた音。
尻から伝わる衝撃と、じんわりと広がっていく痛み。
私が、求めていたもの。
満たされていく。
畑川の鳴き声。
「ダメだって、まだイクな!」
懇願する飼い犬を、容赦なく叱責する主人様。
対照的に、私に対しては甘い声で囁く。
私も、お尻を叩かれるたび、甘く切ない鳴き声を上げる。
ご主人様に、媚びるように。
もう一匹の、ブザマな犬に見せつけるように。
歪な、3つの欲望。
集まってはドロドロに溶けあい、刺激し合っては離れていく。
それを、幾度となく繰り返す。
永遠に続くようで、一瞬の煌めきに過ぎない。
目覚まし時計が鳴るまで、私たちは夢の中で戯れ合っていた。


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