まじめで優等生の姉、葵と、活発でゲーム好きな妹、雫。
かつて仲良し姉妹だったふたりの間には、いつしか隔たりができていた。
優秀な姉と比較され続けてきた雫の中に生まれた劣等感。
それは、日に日に大きくなっていく。
『いつかこの街を出て、自由気ままに暮らす。それまでは耐えるしかない』
ずっと、そう思ってきた。
姉の、葵のヒミツを知るまでは。
プロローグ
見送り
第1章
(1)首輪
(2)告白
(3)決意
第2章
(1)変化
(2)姿見
(3)融解
第3章
(1)居間
(2)友人
(3)姉妹
エピローグ
いつの日か
遠野 雫(しずく)
葵の妹。
まじめな姉とは対照的に、どこか奔放な性格をしており、母によく怒られている。
優秀な姉と比較され続け、劣等感に苛まれている。
かつては姉を慕っていたが、今は距離を置いている。
遠野 葵(あおい)
雫の姉。
根がまじめで優秀な彼女は、周囲からの期待が高く、いつもそれに応えてきた。
嫌がられると分かっていても、つい雫に口を出してしまう。
母
葵と雫の母。
かつて仲の良い姉妹だったふたりの、ギクシャクした今の様子を気にしている。
子を思う気持ちが強い反面、それがふたりを追い詰めてもいる。
夫は単身赴任中のため、現在は娘たちと3人で暮らしている。
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